歯科医院経営におけるBPOを考える
「アンケートは取ったけど、入力する時間が無くて…集計や分析や何かの施策に活かしたことはないなぁ」
これはマーケティング診断での頻出ワードです。
患者様からの評価を蓄積していく事は上手く使えば、重要な経営資産になり得ますが、そこに明確な意図がないのならすぐにやめた方が良いでしょう。
アンケートによって、何をモニタリングし、そのモニタリングは経営にどう活かすのか。
それを決めていなければアンケートが無用になるだけでなく、スタッフの皆様はこう思うでしょう。
「院長の思い付きで面倒が増えた」
それが重なっていけば、「どうせ指示を真面目に実行しても無意味だから」と院内統制が崩れたり、スタッフの皆様のモチベーションを損ねかねません。
では、リソースが足りないから何もしない方が良いのか?
そうではありません。
BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)を考えるのが次にすべき事です。
今では低単価でアンケートの入力・分析だけを行ってくれるアウトソーシング(委託)先はいくらでもあります。専属で人を雇うほどの仕事量ではないけれど、経営にとって大切な事は外に出せば良いのです。
紙アンケートの回収、管理、入力が大変なら、webでのアンケート回収フォームを使えば良いです。
少し話はずれますが、歯科業界では、パートナー(皆様がおっしゃるところの業者)との協働が苦手な先生が多いです。
歴史的に歯科業界ではこうした「業者」に嫌な目にあわされた先生も多かったのではないかと感じています。
実際、平成も終わろうとしている今のこの時代でもHP制作のクオリティと金額が見合っていないと感じるケースにも出会いますし、宿題や勉強会は多く学んだ気にはなるものの払っているコンサル料よりも医業収入の増加額のほうが小さかったというような話も伺います。
ただ、例えば不動産業の経営者は、競合にもなりうる近隣の同業他社とも上手く情報共有し、win-winの関係性を築いていますし、いわゆる業者の方々と信頼関係を作り、自社の為に全力を出してくれるような関係性を作っている方が非常に多いです。
発注者と受託者という関係性ではなく、自事業を共に作り上げていく仲間として接する事でパートナーサイドの営業マンにも責任感や動機が形成され、ただ商品を売るだけでなく、最大限のリターンを渡せるように活用法を一緒に考えてくれるようになります。
歯科医院は増え続け採用難易度も上がっていることを考えると、業務効率化やアウトソーシング、他業界とのオープンなパートナーシップを活かせるか否かは、歯科業界にとって大切なイシューになるのではないでしょうか。
さて、少し話がズレましたが、何かの施策を行う時に人手が足りないという理由で中途半端にするのは良くないというお話です。
逆にアウトソースする程の価値を感じなければ、即刻無駄となる施策はどんどんやめて、まずは院内リソースを確保しましょう。
判断がつかない場合は、
・何をするのか。(what)
・それは何故やるのか。(why)
・いつまでにやるのか。(when)
それが決まれば、
・誰(who)がどのように(how)やるか?を、院内・院外パートナー含めて検討し、かかるコストと天秤にかければ良いのです。
逆にここがあいまいであれば、どんなによく考えた施策でも「なんとなく思いつき」と変わりません。
もちろんこの部分(what/why/when/who/howの検討)もアウトソーシングが出来ます。
当方でも、医院の状況に合わせて、戦略設計と施策の選択肢を出し、メリット・デメリットの整理も行います。コンサルタントなどだと、その判断をも行ってくれて「これこれこういう事をやって下さい」と指定して勧めてくる場合もあると思います。
ただし、私は最終的な判断は院長が行うべきだと考えます。
何故なら、経営者は責任を伴って判断をする役割であり、その反復が経営者の成長に必須だと考えるからです。
ただ、この選択肢が不十分だったり、リスクが大きく、回避の方法も無かったりするような選択肢が混ざっていれば、経営を危機に晒してしまうことになります。
だからこそ、施策の検討やメリット・デメリットの整理はご自身や優秀なスタッフ、自院のことを本気で考えてくれる信頼できる外部パートナーが行う必要があります。
一定の型化されたメソッドは必要かと思いますが、よその医院で上手く行ったことをそのまま自院に持ってきても上手く行くとは限りません。むしろ、医院の強みや周辺の外的環境は間違いなく異なるはずです。
だからこそ、自院にフィットする形に改善を重ねる必要がありますし、その判断は医院経営の主役である院長が行うべきだと考えています。
その判断や推進のサポートが必要なフェーズにおいては、是非with屋にご相談いただければ幸いです。
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