歯科医院のマーケティングの流れ③(施策企画)

今回は前回までに組み立てた戦略に沿って、戦術・遂行のフェーズに入っていく部分を書いていきたいと思います。

マーケティングにはいくつかの捉え方があり、戦術を一番理解しやすいのは「誰に、何を、どのように」です。「誰に」の部分は前回までに定めているので、「何を、どのように」を決めていきます。


KGI/KPIと、自院のポジショニングを設定したら、目標を達成していくために行うことを企画していきます。

特に自院とマッチする患者様のシェアを高めていくために、改善を取り組む箇所(「何を」の部分)を検討していく必要があります。

ここで大切なのは、4P・8Pなどと言われているフレームがありますので、それらを使って漏れやダブりがないよう網羅的に検討を進めることです。

(これから開業する医院であれば、この4P・8Pの要素が全て一貫性を保っていることが重要ですが、既に事業運営されている医院であれば、前段の「戦略」部分を変更した時以外は、利益が逼迫していなければ一項目ずつ改善を行っていく方が、時間はかかりますが、この後の振り返りのフェーズで検証が行いやすくなります。)

歯科領域で特に改善に至りやすいのが、プロダクトや提供サービス、自費の価格帯、スタッフ様の接遇(カウンセリングなどだけではなく、患者様の来院時の迎え入れなどの基礎的な部分)、広告の打ち出し・媒体選定などです。 


ただし、改善の内容は「ただ診療内容を拡充する」「ただ価格を安くする」「ただ広告の量を増やす」というような単純な打ち手ではなく、ターゲットとなる患者様に喜んでいただけるよう改善することです。

つまり、提供する診療や付属するサービスが、競合となる他医院とは違う価値を患者様にもたらす状態(「どのように」の部分)を作っていくことです。

ここで大切なのは、抽象的なイメージではなく、具体的な行動単位で改善策を言語化することです。

例えば、「アットホームな雰囲気にする」ではなく、「受付には常に人員を配置し、来院した患者様に目を合わせ、立ち上がってはっきりと明るい声で挨拶をして誘導し迎え入れる」というようなことです。

(店舗運営をする業態でこの「迎え入れ」が出来ない業界はあまり見たことがありませんが、歯科医院では普通に起きています。患者様はそういった日常生活との小さなGAPから「歯医者」という業態に対してネガティブなイメージを持ちます)


こうした改善策は、自院の強みや投資出来る費用などの内部環境に加え、競合状況、ターゲット患者様の志向や年収帯など外的環境も含めてバランシングしていく必要がありますので、総合的に考慮していく必要があります。ただし決して、特別なことを、お金をたくさんかけてやることが大事なのではありません。出来るだけシンプルでお金をかけないことの方が、この後の実行の難易度が下がるからです。

そもそも、“ありたい姿”を実現していくために、事業として利益担保していかなくてはいけませんので、リニューアルや大きな広告出稿など多額の投資が必要な施策の場合、事前にリスクを下げるための調査などを実施しないまま実行することはオススメしません。


といったように、KGI/KPIと現状とのGAPの大きさに合わせて、施策の規模感も変わってきますし、外部環境も含めた検討が必要になるため、この「施策企画」のフェーズは実は悩むポイントが多いところでもあります。

「4Pや8Pのフレームの使い方を知りたい」、「改善のイメージはあるが、行動への落とし込みで悩んでいる」、「患者様の目線から、自院に違和感を感じるところがないか気になる」という場合は、無料マーケティング診断を行っております。

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with屋

歯科医院向けマーケティングパートナーのwith屋。 歯科医院のマーケティング改善の提案・伴走支援を行っています。 マーケティング戦略~企画・実行・改善までを支援し、一貫性ある患者コミュニケーション設計が可能です。 コンサルティング・アドバイザリーに閉じず、実装までを“提案の主体者”として伴走するため、「実行」のハードルが下がります。