歯科医院がCSではなくCLを高めていかなくてはならない理由
私がこの業界に飛び込んでから、家族や友人から最も多く聞かれることは「どっか良い歯医者さんないかな?」という事です。
聞くと皆様、歯が痛んだ時に行く歯科医院は一応決まっているのですが、それでもこんな質問?相談?を受けるのです。何か不満があるのか聞くと、そういうわけでもありません。ただ、なんとなくもっと良い歯科医院がないかと気になっているようなのです。
気になって、逆にそういった相談をしてこない友人に歯科医院の通院状況をヒアリングすると、前者よりも圧倒的に通院の頻度が高い人が多かったです。定期メンテナンスに通っている人も多く、歯科医院に対する感情もポジティブでした。
この両者の、どのような違いがポイントかお分かりでしょうか。
“歯科医院に対する感情もポジティブでした”
この部分こそが両者を分けるポイントになっています。
これは「歯科治療が好き」とか、「歯がきれいになって気持ちいい」という事ではなく、歯科医院に対する信頼感の差です。
リコールについて、アポイントの取り方やはがきのタイミングなどが解説されているケースが多いように感じますが、最も大切なことは「この先生のアドバイスを真摯に聞こう」という患者様のマインドをどのように醸成していくかではないでしょうか。(「ファンを作る」というような表現をされることもあります)
このような概念はCS(カスタマサティスファクション)ではなく、CL(カスタマロイヤルティ)と呼び、指標化の方法も存在します。
通常のアンケートでは、応対や治療に対して、“良かった・良くなかった”や“満足・不満”などを聞いているものが多いかと思いますが、CLを計っていくにはNPS(ネットプロモータスコア)という指標が向いていると言われています。
皆様の中にも「あなたはこの商品を親しい友人や家族にどの程度すすめたいと思いますか?0~10点で点数を付けてください。」というアンケートを受けたことがある方がいらっしゃるのではないでしょうか。数年前からマーケティングに強い大手企業でも数多く導入されており、アメリカの上位企業でも30%以上が指標として導入している手法です。
私も前職で導入と活用法を研究していました。
では、CSでは不十分なのでしょうか?
もちろん、治療・応対・医院環境などに満足をすることで信頼を獲得できる事もありますが、患者様の気持ちを考えると、
歯が痛い→歯科医院に行く→治療をして痛みがなくなる
という一連の流れは「痛み」がなくなるため、痛みを取りたいというニーズが満たされ、満足する患者様も多くいらっしゃいます。
これだけで、信頼感や「この先生のアドバイスを守ろう」という気持ちが生まれるでしょうか。
つまり、CSは必要条件ではあるものの十分条件ではないという事です。
医院と患者様の信頼関係を構築しCLを獲得していくことは、経営指標にも大きなメリットを生み出します。
当然、自費のカウンセリングに対する患者様の向き合い方も変わるので、自費率に影響が出ます。また、リコール率や、家族・友人への口コミ紹介件数なども十分に期待できます。
逆に言えば、CLを獲得出来ない医院はリコールも紹介も受けられる可能性が低く、ひたすらに新患獲得のための広告で大きなコストを抱え、経営が圧迫されてしまいます。
CLや信頼関係が大事であることを感覚的には理解していても、定量的にこういった事をモニタリングしようとしている医院はなかなか少ないのではないでしょうか。
こうした経営指標とも紐づけながらNPSをKPIにしていくことも効果的ですし、他院との差別化の分析にも使うことが出来ます。もしもご興味がありましたら、詳細を無料マーケティング診断にてお伝えさせていただくことも出来ます。 有料サービスの御申込みをいただかなくても結構ですので、是非お気軽に下記のフォームからお問合せ下さい。
次回、CLを獲得していく際のポイントを書いていきたいと思いますので、よろしければ次回更新をお待ちください。
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