歯科医院に通わない患者様は“ここ”で止まっている

前回は、多くの人は歯や口の環境に悩みがあるのに、何故歯科医院に通院して来ないのか?また、何故より良い歯科医院を探しているのか?という問いで終わりました。

実は、こうした方々はたいてい同じようなステップで躓いています。

それは、「どの歯科医院にいけば良いか」を比較検討するステップです。

なんとか自分なりに一生懸命比較検討をして医院にたどり着いても、「本当にこの医院が自分にとってベストだったのか?」と疑問を持ち続けている患者様が本当に多いです。

比較検討をしているうちに、どうやって歯科医院を選べばいいか分からず、面倒になって歯科治療の優先順位が下がってしまったり、来院しても必要最低限の処置だけで来なくなってしまいます。


この方々のCL(カスタマロイヤルティ)を獲得していく難易度は非常に高く、いつ他の医院に移ってもおかしくない患者様です。そんな患者様に自費の提案をしても中々自費率は上がりませんので、当然この患者様のROASは低くなります。また、医院の中でも自費治療の提案を行うこと自体がスタッフの皆様にとって負担になっていき、提案件数を増やすなどの指示を出してもなかなか徹底されない環境が作り出されていないでしょうか。


では、この患者様達はなぜ比較検討のステップで躓いてしまうのか。また躓くとはどういう状態なのでしょうか。 


特に歯が痛むまで歯科医院に行かない患者様にとって歯の重要度が生活の中で低い方が多いため、痛みがきっかけで歯科医院を探し始めます。

前回の記事で書いた通り、通常の消費行動では、注意→興味→学習→比較検討という流れでお店や商品を決めていく事に慣れている患者様は、とにかく痛みをなんとかしたいので比較検討からスタートしてしまいます。

本来であれば興味を持って、どんな商品(サービス)が存在するのかを調べていく間に、商品ごとの違いや価格の差などを認識し、比較検討をする為の判断軸が形成されていきます。「私は価格を大切にしたい」とか、「私は品質を大切にしたい」などです。これを基にwebサイトなどで比較検討をするのです。

しかし、「痛みをなんとかしたい」という患者様は今日や明日にでも歯科医院に行きたいのです。しかも、仕事や家事の合間の短い時間で歯科医院を決めなければいけない状況です。

そうした患者様はどのように比較検討をするか… 家や会社から近い医院を候補にし、写真の雰囲気で選びます。もう少し「失敗したくない」と思う人は口コミ(比較サイト、googleなど)で悪い評価がないかなどを見る方もいらっしゃいます。(比較検討を放棄して、モヤモヤしたまま前回の歯科医院に通う方もいらっしゃいます)

つまり、歯科医院の本質的な要素ではなく、利便性や感覚的な雰囲気というようなもので選ばざるを得ないのです。 普段の購買行動で比較検討をしている患者様は、これに無意識に気付いていて、「何となくこの医院に決めたけど本当にここが良いのか分からない」という気持ちになっている方が多いのです。


また歯への意識が高い方の中にもこういった方は存在します。 この患者様たちは歯に対して何らかの不を持っており、注意→興味→学習と進んで行きます。

自分が行いたい治療の概要や大まかな相場感覚を身に着け、いざ歯科医院の比較検討のステップに入ります。 この方々は立地に強くこだわらない傾向が強く、前者の患者様と比べるともう少し候補医院の半径は広くなります。

その為マップ検索などは使わず、治療名×エリア(都道府県や市区郡)דオススメ”などと検索しますがなかなか一つ一つの医院のHPをシラミ潰しに見ていける人は少なく、結局比較サイトなどに入っていきます。

そして、比較サイトの中で市区郡×治療名で検索をしますが数百件の結果が出てしまい、さらに上位の数件を見ても「なんでも診ます」的な広告ばかりの中で比較検討が出来なくなってしまいます。

例えば、とある比較サイトで世田谷区×矯正歯科で検索をすると約250件歯科医院が出てきますが、上位表示されている医院は矯正についてページ内で料金以外一切触れていない医院が出てきます。これでは患者様はどの医院が矯正を得意としているのかは分かりません。


webサイトなどで判断軸の提案がなされていたり、整理されていたりすれば、その短い時間の中でもマッチした歯科医院を探し当てられるかもしれませんが、私の知る限りそういったサイトは無く、また法的な縛りの大きさも患者様の選択に必要な情報の表現を阻害している要因になっていると思っています。(もちろん法律の趣旨も分かりますが…)



こういった患者様に、納得して自院を選んでいただくためには、HP上で判断軸を提供するようなコンテンツを作ったり、その一部を比較サイト上で出していくなどの工夫が必要になります。

なぜこの歯科医院を選んだのか?、患者様が自分自身に説明出来る、納得出来るような情報の提供の仕方をして差し上げ、それに即した接遇・治療方針を体験が出来れば、今よりも多くの患者様との信頼関係を生むことができます。

逆に言えば、強みとなる治療はもとより、自院の“ありたい姿”とそれを実現する患者様とのコミュニケーションフローがあればこそ、広告が高いROASを生み出すのです。


今まで、マーケティング診断などでお話を伺ってきた経験からすると、ほとんどの院長や理事長は明確に言語化されていなくても、ありたい姿や医院として進んでいきたい方向性をお持ちでした。
そういった物を引き出し、院内で浸透させ、ありたい姿に向けた一歩一歩に伴走していくのが私の役割です。
私自身も経営を進める中で、毎日の忙しさや、何かを変える事への心理的な負担もとてもよく分かります。

しかし、モヤモヤとした気持ちで通院してたり、来院に踏み出せない患者様が沢山いらっしゃいます。

是非、自院の強みを活かしながら、患者様とのより良いwin-winな関係性を作るために一歩踏み出してみていただきたいと思っています。


進み方に迷う際はぜひご相談ください。

サポートが必要であれば、ご支援させていただきます。

月次支援は有料にはなりますが、他の近しいサービスと価格を比べてみてください。型通りにマニュアル化された提案ではなく、貴院と患者様との間にあるベストを目指して提案、伴走させていただきます。

with屋

歯科医院向けマーケティングパートナーのwith屋。 歯科医院のマーケティング改善の提案・伴走支援を行っています。 マーケティング戦略~企画・実行・改善までを支援し、一貫性ある患者コミュニケーション設計が可能です。 コンサルティング・アドバイザリーに閉じず、実装までを“提案の主体者”として伴走するため、「実行」のハードルが下がります。